漢方薬について

「漢方」の考え方の元になっているのは、中国の「中医学」の考え方です。

「漢方」という名前の由来は“漢(当時の中国の名前)”から伝来した医術という意味。

原材料も中国産のものが多いので“漢方は中国の医学”というイメージが強いのですが、日本人の体質に合わせて発展してきた中医学が「漢方医学」となっているので、「これらは同じものか?」と聞かれると「元は同じだが、似て非なるもの」という答えが一番近い気がします。

ここでは、漢方薬についてのお話しします。

 

煎じ薬(せんじぐすり)と漢方エキス製剤の違いは?

煎じ薬(せんじぐすり)

生薬に含まれる成分を煮出す(お湯で抽出する)ことでできる液薬が煎じ薬と呼ばれるものです。

一般的には、1日分の漢方薬を水から火にかけて煮詰めた液体から余分なカスを取り除いて服用します。

漢方エキス製剤

生薬を煎じたエキスを顆粒にしたもの。長期保存が可能で、飲みやすいのが特徴です。

※漢方エキス製剤には、末剤を追加することで効果を向上させている製品もあります。

煎じ薬と漢方エキス製剤の違い

製薬方法の特徴から、煎じ薬はドリップコーヒー、漢方エキス製剤はインスタントコーヒーに喩えられることがよくあります。

煎じ薬は手間がかかるものや匂いが強いものもあり、「飲みにくい」、「煎じるのが手間」と嫌煙されがちで、現代では漢方エキス製剤の方が主流となっていますが、効果は煎じ薬の方が高いことがほとんどです。

漢方薬の服用は食前・食間にと言われますが、食後ではダメですか?

まずは、食前、食後、食間など、服用するタイミングの大まかな目安の説明からします。

・食前:食事をする30分~1時間前

・食後:食事が終わってから30分後

・食間:食事の2時間後 ・就寝前:就寝する直前~30分前

・頓服:症状が出た時

このように薬を服用するタイミングには一般的なものがいくつかあります。その中でも、漢方薬が「食前もしくは食間に服用するが一般的」とされているのは、食前・食間と食後では吸収率が10%程変わるともいわれているからです。

また、漢方薬は様々な生薬が一番効果のあるバランスとなるようにブレンドされており、食後に服用するとそれら生薬が胃や腸で食べ物と混ざり、せっかくのブレンドのバランスが崩れてしまいます。

食後では効果がない、食後に飲んだら副作用が出る、というようなことは起こりませんが、極力食前か食間に飲んでいただきたいです。

漢方薬をオブラートに包んで服用しても良いですか?

漢方薬は本来、「香りや味も重要な薬効の一つ」と言われており、最も効果の出やすい飲み方は、お湯で溶き、漢方特有の香りと味を堪能しながら服用いただく方法になります。

ですが、「匂いが嫌で飲めない」、「味が苦手で喉を通らない」といったご相談を受けることもしばしばあります。どうしても苦手な場合は、オブラートに包んで服用しても結構です。

そのまま服用するよりも、抹茶やコーヒー、ココア、ハチミツなどに溶かしてから飲むと飲みやすくなるので、こちらの方法もお勧めです。

漢方薬と西洋薬を一緒に飲んでも大丈夫ですか?

飲み合わせにもよるので、その都度ご相談いただくことが望ましいです。

特にカンゾウを含有する漢方薬(食べ過ぎの薬や痔の薬、風邪薬などに含まれる)とグリチルリチン酸製剤(肝臓の働きを助ける薬や皮膚の炎症を抑える薬などに含まれる)を併用するとアルドステロン症を引き起こしやすくなります。

アルドステロン症になってしまうと、高血圧になったり、それが原因で臓器障害を引き起こしたりする危険があります。 グリチルリチン酸という成分が重複しており、過剰に摂取することになってしまうのが原因です。

このように、知らない間に同じ成分を過剰に摂取したり相性の悪い組み合わせの薬を飲むことで、副作用を引き起こしてしまう危険があります。 これは漢方同士の飲み合わせでも同じことがいえるので、薬の飲み合わせに関しては必ず専門家にご相談ください。

漢方薬は長く飲まないと効きませんか?

漢方薬の服用期間は、その漢方薬の種類や量、症状や病気、個人個人の「証」(体質や抵抗力など)によっても変わってきます。

例えば、風邪には葛根湯が効くと言われていますが、胃腸の弱い人が服用すると胃腸に異常が出てしまい、体力が奪われてかえって風邪が悪化する、ということもあります。

このように個人個人の「証」は異なるので、一概に「漢方薬は長く飲み続けなければならない」というようなこともありません。それをふまえた上でお話しますと、虚実でいう虚証の方は体調や病気の症状が良くなるまで長期間かかる場合が多く、実証の方は短期間で治りやすいことが多いです。

また、風邪などの急性症状なら短期、冷え性などの慢性症状なら長期で服用するのが一般的です。もちろんその時々の状況によって飲む量や期間は調節した方がよいです。

いつから症状が出ているのか、どんな症状が出ているのか、体質はどのようなタイプか、年齢・性別・生活習慣等によって漢方薬を飲み続ける期間や効果が現れる時期が違います。

漢方のサツマ薬局では、血液の生まれ変わる120~200日をひとつの目安として、一ヶ月毎の状態を確認しながらの処方構成を考えております。 個人個人に別々の選択肢があるということが漢方薬の難しさであり、魅力です。

漢方薬にも副作用はありますか?

西洋薬に比べるととても少ないものの存在はするので、その都度漢方専門店やアドバイザーなどの専門家に相談していただくことが望ましいです。

一番やっていただきたくないことは、雑誌やテレビなどのぼんやりとした情報のみで判断し、自分で漢方薬を選ばれ飲み始めて、お身体に合っていなかったり副作用が出ているにも関わらず飲み続けてしまうことです。

人によってお腹が弱かったり体温が高かったり汗をかきやすかったりすることと同じで、漢方薬に対しても合う合わない、効く効かない、アレルギー反応の有無などがあります。

また、生薬に対するアレルギー症状の他、症状が改善に向かう際に見られる好転反応(治療の過程で一時的に起こる身体反応のこと)が現れることもあります。

副作用のことも含め、自分に合う漢方薬に出会うため、まずは専門家にご相談ください。

妊娠の可能性があるのですが、漢方薬なら安心ですか?

妊娠中は市販の風邪薬や頭痛薬などの薬を避けますが、漢方薬であっても服用できる処方は多くありません。有名な葛根湯も基本的には服用できません。

妊娠中に避けた方がよい三禁

1.過度の発汗

2.下痢

3.多尿(もしくはそれになる程の多量の飲水)

特に気をつけていただきたいのは、葛根湯などに含まれるマオウ(発汗作用がある)、便秘薬などに含まれるダイオウ、マオウ、トウニン、ボタンピ、センナ(子宮収縮作用がある)。

その他にも三禁を促進する効能を持った漢方はいくつか存在するので、その都度ご相談いただくことが望ましいです。

家族と同じ症状(病気)です。漢方を共有してもよいですか?

基本的に、他人と同じ症状であっても証(先述した体質の個人差)は異なるので、控えた方が望ましいです。

たとえ家族でも一人ひとり体質やアレルギーは違います。漢方に限らず、病院で処方された薬は他人と共有せず、専門医に処方いただくようにしてください。

 

 

お気軽にご相談ください

症状一覧に戻る